いつでもコッコ日和 第11号

来年のコッコ達が揃いました…

 

前々回のコッコ日和でヒヨコを導入した旨をお知らせしましたが、その1か月後にも約100羽が来て、来年のコッコ、ピヨ達が揃いました。新しいピヨも1か月前のピヨと同じビニールハウスにネットで区切られた状態で暮らしており、夜はまだ保温した育雛箱の中で寝ています。先輩ピヨ達は飛び跳ね、駆けずり回り、これでもかというくらい元気に暮らしています。そんな先輩ピヨがネットを飛び越えて後輩ピヨの敷地に入るのは分かりますが、たまに後輩ピヨが先輩ピヨの中に混じって、一緒に駆けずり回り、ときどき先輩ピヨにぶつかって飛ばされたりしています。成鶏になって順位付けが始まる前は、先輩・後輩ピヨが混じることは、色々なことを覚えていく上でも良いのですが、夜になる前には後輩ピヨが先輩ピヨの中に紛れていないか、注意深く見回る必要があります。まだ保温が必要な小さいピヨは暖かさを求めて集団で集まりますが、体の大きさの違う先輩ピヨの中に入ってしまうと、息ができずに弱って病気になったり、圧死してしまったりするからです。

先輩ピヨの敷地からは外に出られる扉を作り、日中は自由に外の庭へ出入りできるようにしました。昨年はカラスや鳶に襲われるので、まだ小さいうちは外に出すことはできませんでしたが、今年は上に防鳥ネットを張ったので、空からの襲撃を気にすることなく、外遊びができるようになりました。ビニールハウスの中にも日差しは十分に届くのですが、それ以上に外の空気を堪能し、元気に育ってほしいです。

また、止まり木を作製。登ったり飛んだりして遊べるほか、夜に寝るときに止まり木に止まって寝られるよう訓練します。まだなかなか止まり木に止まって寝るまでには至っていませんが、中雛になって大きい鶏舎へ移動したときにすんなりと止まり木に止まって寝られるよう、重要な訓練です。

 

まだ生まれてから1か月半、2週間というピヨ達ですが、すでにコッコ達の習性が散見されます。ミミズのような細長いものを見つけると、その場で食べるのではなく、口に咥えて一目散に走りだします。そうすると他のピヨ達もそれを追いかけ、統制の取れていないラグビーの試合のようになります。どうして見つからないようにこっそりと食べないのかといつも思うのですが、必ず細長いものを嘴で咥えながら突然走り出すので、めぼしいものを見つけたのがみんなにばれてしまうのです。

コッコ達の庭にミミズを投げ入れると、それを咥えたコッコが突然走り出すので、庭全体で追いかけっこが始まるのですが、ピヨ達もそれとまったく一緒です。

他にも小さな足でいっちょ前に土を蹴り上げ、なにやら土の中からついばんだり、地面に穴を掘ってそこに体を埋めて砂浴びをしたり…。コッコ達の庭には直径30センチ位の穴がポコポコあいているのですが、それはみな砂浴びをした跡です。それがピヨ達のハウスの中では、直径5センチから10センチ位の穴がポコポコあいているのです。何ともかわいらしい砂浴びです。

そんな小さなピヨ達も、年末にかけて卵を産み始めます。

鶏は季節にかかわりなく繁殖する周年動物ですが、春から活動が活発になり、秋には換羽がおこり休産する傾向があります。日の長さが短くなっていくと産卵活動を低下させるので、大規模なウインドレス鶏舎では照明を朝夕点灯させる光線管理をすることで年中産卵数を減らさないようにしています。COCO相木では解放鶏舎で日中は放し飼いしていますので、この日の長短の影響を受けます。冬至にかけて産卵数が減っていきますが、それはコッコ達の体を休めることにもつながるので、長い年数卵を産むためには必要なことだと思っています。

ピヨ達が卵を産み始める時期も、この日の長短が関係してきます。もちろん成長具合が一番関係してくるのですが、日が長くなっていく時期は産卵が促進されるので、その時点で十分に体がしっかりできていない状態でも、卵を産もうというホルモンが働き始めます。COCO相木では十分に体を作ってから産卵してもらうため、十分に体が出来上がる頃に冬至を迎え、日が長くなっていく時期を迎えられるように、5月6月に限定して雛を導入するようにしています。

年間を通じて、一定の間隔で雛を導入した方が、年間の産卵数は安定するのですが、コッコ達の体を第一に考えると、今の導入方法が良いように思います。

 

初冬にはピヨ達が卵を産み始めますので、その時には栄養がたっぷりつまった初卵をご堪能下さい。