生命力の強い卵が美味しい卵であるために

たまごの味や風味、黄身の色は作れる

 

 たまごの味や風味、黄身の色は飼料によって変えられます。濃厚な味にしたり、黄身の色を濃くしたりすることを目指すのではなく、生命力の強い卵を産む鶏を育て、その産んだ卵が結果的に美味しいと評価してもらえればうれしく思います。

 たとえばトウモロコシを主に与えた鶏の産んだたまごの黄身は濃い黄色やオレンジ色に近い色になるのに対し米を主に与えた鶏の産んだたまごの黄身はレモンイエローになります。これはカロチノイドという色素が多いと濃い色になるためで、どちらの色も栄養価に直接の差はありません。COCCO相木のたまごは主に米を与えているので薄いレモンイエローですが、冬場はカロチノイドを多く含むかぼちゃを与える機会が多くなるため、濃い色になることがあります。

 またそば殻や酒粕などその季節にしか手に入らない飼料を配合したりすると多少風味が変わります。一年中同じ飼料を食べ安定したたまごの味を目指すという考え方もあると思いますが、COCCO相木では、人間と同じように鶏たちも季節に応じて旬のものを食べることが、鶏たちの健康に良いと考え、積極的に旬のものを与えるようにしています。

 白身にしても季節によって多少変化します。夏は少し水っぽく感じることがあるかもしれません。暑い日は人間と同じく鶏も水分をたくさんとるので白身の水分量が増えるため。反対に冬は体温を下げないように水をあまり飲みません。寒い時期に産まれるたまごの方が白身の弾力が強い傾向にあります。 

 このように季節のよってたまごの味や風味、黄身の色や白身の弾力に多少の変化が生じますが、その変化に、このたまごを産んだ鶏たちはどのようなものを食べているのだろうか、どのような環境下で暮らしているのだろうかと想像を膨らませていただけたらうれしく思います。

 この他、強制換羽や日短の時期の光調整など、たまごを効率的に産ませるための人工的な措置は一切しません。こうして鶏たちに無理な負担をかけず健康で生命力の強いたまごを産めるようにしています。産卵量も鶏まかせ自然まかせです。