COCCO相木では放し飼いにこだわります

ケージ飼い、平飼い、そして放し飼い

  鶏の飼育環境は養鶏場によって大きく異なります。

 「ケージ飼い」は大規模養鶏場の効率を追求した飼育方法で、ケージという狭い籠の中に1羽から数羽の鶏が飼われています。餌と水は自動供給され、産んだ卵は自動搬送されます。ウインドレス鶏舎と呼ばれて窓がないところがほとんどで、日光の代わりにLEDで照らし、温湿度は空調機でコントロールされています。 

 

 平飼いは鶏が地面で自由に動き回れるような環境で飼育する方法。同じ平飼いでも養鶏場によって飼育密度に差があります。飼育密度が高く、ぎゅうぎゅう詰めでは運動をする十分なスペースがなかったり、集団で生活するため喧嘩やいじめが多発したり、糞が乾かず悪臭を放ったりと、鶏たちの健康に悪影響を及ぼす場合もあります。「地鶏」の定義には、「飼育密度が1平方メートル当たり10羽以下」とありますが、COCCO相木ではそれよりもさらにゆったりとした1平方メートル当たり2羽未満。十分なスペースを確保しています。

 

 鶏はサルモネラ菌に汚染された糞などに接触(つつく)ことで感染するとされ、平飼いはサルモネラ菌に感染しやすいといわれます。しかし、床を発酵させることでサルモネラ菌の増殖を防いだり、運動量が多い平飼いの鶏は免疫力が高かったりと、逆にサルモネラ菌に感染しにくいというデータもあります。どのような飼育方法にも飼育密度には限度があり、薄飼いにすることで避けられるのではないでしょうか。

 さらにCOCCO相木では平飼い鶏舎の倍から数倍の広さの庭を確保し、日中は自由に行き来できる放し飼いで育てています。さまざまな動物から鶏たちを守るためネットで仕切っていますが、鶏舎と庭を自由に行き来できるという意味で「放し飼い」と謳っています。

 人間社会にもさまざまな性格があるように、鶏社会にも性格はさまざま。鶏舎の中でのんびりと過ごすのが好きな鶏がいれば、どんな悪天候でも鶏舎を飛び出し地面をつつく鶏もいます。あまり雪の上を歩きたがらない鶏たちが多い中で、勇猛果敢にも雪の中を突き進む鶏もいます。そんなさまざまな行動発現に応えるためにも、より自然環境に近い放し飼いにこだわります。

 放し飼いをすれば、当然、鳥インフルエンザ等のさまざまな病気の危険性が高まります。しかし、外気や日光に触れることのないウィンドレス鶏舎で飼いウィルスに触れることを恐れるのではなく、ウィルスに負けない健康な体をつくることを大事にしたいと思います。

 ※家畜保健所の指導により、放し飼いの運動場にも天井に防鳥ネットを全面に張りました。これにより鳶やカラスの脅威がなくなり、より小さなうちから外に出すことができるようになりました。

 

 標高1,000メートルを超える当地でも夏は30度にまで気温は上がります。冬はマイナス20度近くまで冷えることも。それでも鶏たちは元気に動き回り、地面をついばんでいます。放し飼いで自由に動き回れるからこそ、鶏たちの健康が保たれています。