いつでもコッコ日和 第13号

夏はサルモネラ食中毒にご注意下さい…

暑い季節となってきました。梅雨時から9月頃までは高温多湿な状態が続き、細菌がもたらす食中毒が多く発生します。主なものにカンピロバクター、サルモネラ菌、黄色ブドウ球菌、腸炎ビブリオ、腸管出血性大腸菌(O157等)等があります。その中で卵で特に気を付けなければならないのはサルモネラ菌。

サルモネラ菌は人をはじめ、牛や豚、鶏などの家畜の腸内、河川・下水など自然界に広く生息していている細菌です。原因となる食品としては牛や豚、鶏などの食肉や卵等の他、感染者が調理する過程で""を介して「二次汚染された食品」などがあります。特徴としては、少量の菌でも食中毒を発症する事がある他、乾燥に強い性質があります。食中毒の症状としては吐き気や腹痛、発熱や下痢等があります。また症状が軽くても長期にわたり保菌者となることもあります。

一方、サルモネラ菌には低温では増殖しにくい事や加熱処理によって死滅する事等の特性がありますので、こういった対策で感染を防ぐことができます。詳細はコッコ日和第8号の冷蔵配送開始の記事をご覧下さい。

 

付けない(調理する前にしっかり手を洗浄して食品にサルモネラ菌を付けない)、増やさない(冷蔵保存等保管をしっかりしてサルモネラ菌を増やさない)、やっつける(心配な場合はしっかり加熱調理してサルモネラ菌を死滅させる)を基本にしていただければ対策できます。

定期的にサルモネラ検査をしています…

COCCO相木では定期的に卵のサルモネラ菌検査を実施しています。前回は卵を産み始めた冬期に行いましたが、今回はサルモネラ菌が増殖し始める7月中旬に行いました。

各鶏舎からそれぞれ産卵数の5分の1程度を無作為に抽出し、それを鶏舎ごとにパックして長野県食品衛生協会に送付。鶏舎ごとにサルモネラ菌が検出されるか試験をしていただきます。試験としては、卵の外側を洗い出したものを試料液として検査する方法と、割卵して中味を試料液として検査する方法の2種類を行いました。3鶏舎あるので、3鶏舎×2種類の6検査となります。そしてすべての検査で陰性との判定が出ました。

卵がサルモネラ菌に汚染される経路はon egg汚染とin egg汚染の二つです。on egg汚染は 鶏の消化管等に存在する菌が糞便と一緒に卵殻表面に付着する場合、in egg汚染は感染している鶏の卵巣や卵管が汚染され卵の形成過程で内部に取り込まれる場合です。

 

今回の検査では採卵して一切拭き取りや洗浄等していない卵を使用しています。全量検査ではないのでこれでサルモネラ菌にまったく感染していなかったとは必ずしも言えませんが、感染していない可能性が極めて高いと言えると思います。

COCCO相木のふる里卵は無洗卵です…

COCCO相木のふる里卵は無洗卵です。これは卵の鮮度を保持し内部へのサルモネラ菌をはじめとする菌等の侵入を防ぐクチクラ層を残すためです。よく絞った布で汚れのみを落としています。気になる方はお召し上がりになる直前に洗って下さい。

スーパー等で売られている一般の卵はGPセンター(鶏卵格付包装施設)で傷卵・血卵などが除かれた後、卵殻表面に付着した汚れを次亜塩素酸水溶液などで消毒・洗卵し紫外線でさらに殺菌した後に出荷されます。この処理がしっかりしているため日本の卵のサルモネラ菌の汚染率が0.003%程度と推定され、極めて低い割合となっています。

ただ卵には無数の微細な穴が開いており、卵殻を守っているクチクラ層を洗い流してしまうと洗浄水が極微量だとは思いますが、卵の中に入ってしまいます。塩味の効いたゆで卵がありますが、これは長時間卵を食塩水に漬けることで食塩水が内部に入る特徴を利用したものです。

洗浄液は食品の消毒にも使われる次亜塩素酸水溶液が使われているとはいえ、せっかくあるクチクラ層を洗い流してしまう必要性はないと考え、COCCO相木では無洗卵としています。

 

しっかり対策すれば生卵も安全…

サルモネラ菌の特性を理解し、しっかりと対策をとれば夏場の生卵も安心して召し上がっていただけると思います。是非、夏バテ防止に卵かけご飯をご堪能下さい。