いつでもコッコ日和 第19号

自然養鶏の産卵箱事情…

今年5月生まれのピヨ達が新鶏舎に引越しをしたことは前回のコッコ日和にてお知らせしましたが、それに続き6月生まれのピヨ達の引越しも無事終了しました。それぞれの広々とした新鶏舎でのびのびと過ごしています。

 

現在は新鶏舎の産卵箱作りを行っています。一昨年、昨年と産卵箱を作ってきましたが、ひとつ問題点を改善するとまた別の問題が出てくるというように、なかなかこれがベスト!という産卵箱はできません。今年はどう改善するか試行錯誤です。そこで今回は産卵箱についてのお話し。

自然養鶏にとって、快適に過ごせる鶏舎作り、日中にストレスなく走り回ったりできる庭作り、そして健康な体を作る餌作りに並んで、安心して快適に産卵できる産卵箱作りは重要なウェイトを占める分部です。

産卵箱にはいくつか大事な要素があります。何より①安心して快適に産卵できる場所であること。そして②卵が汚れない・傷付かないこと、③集卵しやすいこと、④取り残しがないこと、⑤掃除しやすいこと。他にも色々あると思いますが、COCCO相木では以上を重視しています。

 

①は一番大事な要素です。コッコ達は自分の体がしっかり隠れる薄暗い場所で産卵するのを好みます。身の危険がない安心できる場所でないとゆっくり産卵できないのでしょう。②雨の日などは外で遊んで泥だらけになった足で産卵箱に入ってきます。だからといって外に出さないということはできません。また産卵箱の中で糞をすることもあります。そしてコッコ達は産卵箱の中で準備中はうずくまっていますが、産卵直前にはすくっと立ち上がって落とすように産卵します。こういった汚れを防ぎ、傷つけないためにCOCCO相木では柔らかめの金網に籾殻を敷く方法をとっています。万全ではありませんが金網が足の汚れをそぎ落とし、籾殻で糞などの汚れを吸着し、クッション性もあるので衝撃から卵を守ります。③産卵が集中する午前中はなるべく驚かせたり騒がせたりしないよう鶏舎の中には入らないようにしています。そのため中に入らずに集卵できるよう産卵箱は外との境界に設置しています。④汚れや衝撃から卵を守るためには卵が埋もれるくらいに籾殻を敷く方法もありますが、取り残す可能性が出てきます。産卵日がはっきりしない卵は出荷することはできませんので、金網と籾殻を併用する方法をとっています。⑤そして産卵箱は常に清潔に保たなければなりません。頻繁に掃除できるよう掃除しやすい構造であることが重要になってきます。

より安心して産卵してもらうために産卵箱は鶏舎の真ん中に設置した方が良いのではないかとか、卵を取り出しやすいように傾斜をつける際にどのくらい傾斜をつけていいのかとか、広すぎず狭すぎずに快適に産卵できるにはどのくらいの広さがいいのか等々、まだ検討しなければならない要素がたくさんあり、これからも試行錯誤です。作った後に改善しやすいようにできるだけ単純な造りの産卵箱がいいのかもしれません。

100羽ほどの集団に、4列の3段で12個の産卵箱を設置しています。設置数としては十分かなと思いますが、コッコ達にしか分からない好みがあるようで、ある特定の産卵箱に集中し、隣りの産卵箱は空いているのに、そこだけ行列ができていたりします。安心で快適な産卵箱が理想ですが、あまり快適すぎると産卵後にもゆっくりくつろいでしまい渋滞が発生してしまいます。また、庭の管理を怠り体が隠れるくらいの草むらを作ってしまうとそこに産卵してしまうことがあります。この夏も草むらから20個近い卵を発見するという失敗をしてしまい、出荷できなかったことがありました。産卵に関するエピソードはまだまだありますが、よりよい産卵箱を早く作れるよう、頑張ります(^_^;)